Studies on structure of protoaculeine B, an N-terminal structure of marine peptide toxin aculeine B

沖縄産の海綿より単離されたプロトアーキュレインB (pACU-B) は、1,3-propanediamineのポリマーにトリプトファンが縮合した構造を有する。この海綿からは非常に強い細胞毒性を有するペプチドのアーキュレインBが単離されており、pACU-Bは、そのN末端に位置する部分構造に相当する。私たちは2020年にpACU-Bの提唱構造の化学合成に成功した [1] が、そのスペクトルデータや反応性は、天然pACU-Bとは全く異なっていた。そのため私たちは天然pACU-Bのスペクトルデータの再検討を行い、それが正しくはtetrahydro-beta-carboline構造であることを明らかにした。実際、Pictet-Spengler反応により合成したモデル化合物は、天然pACU-Bのスペクトルデータおよびその反応性とよく一致した [2]

参考文献

  1. Irie, R.; Miyahara, M.; Nakamura, S.; Honda, A.; Sakai, R.; Oikawa, M. J. Nat. Prod. 2020, 9, 2769−2775.
  2. Irie, R.; Miyako, K.; Matsunaga, S.; Sakai, R.; Oikawa, M. ChemRxiv 2020, preprint (DOI: 10.26434/chemrxiv.13066082.v1).